2026年8月の大雨でお墓が被災された方へ|羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町・氷見市の点検と復旧の手引き

2026年8月27日の記録的な大雨により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

気象庁は27日朝、石川県の羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町、富山県の氷見市に警戒レベル5の「大雨特別警報」を発表しました。羽咋市では12時間降水量が317.5ミリ、氷見市でも317.0ミリと、いずれも観測史上1位を大きく更新する雨量が観測されています。特別警報は同日16時20分に大雨警報(レベル3)へ切り替えられましたが、河川の氾濫や道路の冠水、土砂崩れが各地で発生し、孤立や救助要請が相次いでいる状況です(2026年8月27日時点。気象庁発表および報道による)。

この記事は、被災した地域にお墓をお持ちの方に向けて、安全が確保されたあとに何をどう確認すればよいのかをまとめたものです。墓地の被害状況はまだ分かっていません。分かっていないからこそ、あわてて動く前に知っておいていただきたいことがあります。

まず、お墓より先に守っていただきたいこと

最初にお伝えしたいのは、お墓の確認は後回しで構わないということです。石は流されても、埋もれても、そこにあります。ご自身と家族の安全、そして住まいと生活の再建が何よりも優先です。

特に、次の点は強くお願いします。

  • 警報や避難情報が出ている間は、絶対に墓地へ行かないでください。北陸の墓地は、山あいの斜面、川沿いの平地、海に近い集落のはずれなど、今回まさに危険とされている場所に多くあります。
  • 雨がやんでからも、数日は近づかないでください。これだけの雨量が入った地盤は、雨が上がったあとに緩んで動きます。土砂崩れや擁壁の崩落は、雨のピークを過ぎてから起きることが少なくありません。
  • 28日朝にかけて再び雨が強まる可能性が指摘されています。いったん落ち着いたように見えても、すでに降った雨のぶん、普段より少ない雨で災害が起きやすくなっています。

お墓は待てます。まずはご自身の生活を立て直してください。私たちのところにも、能登半島地震のあと「一年経ってからようやく墓のことを考えられるようになった」というご相談が数多く寄せられました。それでまったく問題ありません。

大雨・洪水によるお墓の被害は、地震のときと様子が違います

能登半島地震のあと、この地域では「竿石がずれる」「墓石が倒れる」といった揺れによる被害を数多く見てきました。しかし水害の被害は、見え方も、危険な箇所も、地震とは異なります。見た目には無事でも、地面の下で進んでいる被害があるのが水害の怖いところです。

土砂・流木の流入と堆積

斜面の下や谷筋にある区画では、外柵の中に土砂が流れ込み、拝石や納骨室の入口が埋まってしまうことがあります。土砂そのものの重みで外柵が押し出されることもあります。

冠水による泥の付着とシミ

水が引いたあと、墓石の表面や側面に泥の線(水位の跡)が残ります。御影石は水を吸わないと思われがちですが、実際にはわずかに吸水します。泥水に長く浸かった部分は、乾いたあとに輪郭のはっきりしたシミとして残ることがあります。

基礎まわりの洗掘と地盤の緩み

もっとも見落とされやすく、そしてもっとも重要なのがこれです。流れる水は基礎コンクリートの周りや下の土を削り取ります(洗掘)。削られた分の空洞は、その日には分かりません。数週間から数か月かけて土が締まり、あとから沈下・傾きとして現れます。「あのときは何ともなかったのに」という傾きは、たいてい水害のあとに始まっています。

外柵の押し出し・目地の抜け

区画を囲う外柵は、石と石の継ぎ目をモルタルやコーキングでつないでいます。水圧と土砂に押されると、この継ぎ目が開いたり、角が持ち上がったりします。隙間ができると、そこからさらに雨水が入り、冬の凍結・融解で傷みが広がります。北陸では、この冬までに手当てできるかどうかが分かれ目になります。

納骨室(カロート)への浸水

納骨室は完全な密閉構造ではありません。冠水した区画では、内部に水や泥が入っている可能性があります。地上式の納骨堂が多い氷見市周辺でも、床面近くまで水が来た場合は同様です。

小物の流出・埋没

花立、香炉、水鉢、塔婆立てなど、据え置いてあるだけの部材は流されます。少し離れた場所の土砂の中から見つかることもあるため、すぐに「無くなった」と決めつけないでください。

斜面墓地の法面崩れ・通路の陥没

区画そのものより先に、そこへ至る通路や石段、擁壁が崩れていることがあります。お墓に近づけるかどうかの判断は、区画ではなく足元で決めてください。

安全が確認できてからの点検手順

自治体の避難情報が解除され、道路と足元の安全が確認できてからにしてください。そのうえで、次の手順をおすすめします。

  1. ひとりで行かない。必ず二人以上で、家族に行き先を伝えてから向かってください。
  2. 長靴・手袋・マスクを着けてください。浸水した泥には汚水や薬品、ガラス片が混じっています。
  3. まず遠くから全体を見てください。区画に入る前に、斜面・擁壁・通路に崩れや亀裂がないかを確認します。
  4. 石塔が傾いていないか、上から見てずれていないか。竿石(一番上の細長い石)は、数センチのずれでも重心が偏っている場合があります。
  5. 外柵と地面の境目を見てください。コンクリート基礎の下に隙間や空洞ができていないか、土が流れて根元が見えていないかが最大の確認点です。
  6. 納骨室の入口(拝石や前面の石)に泥が入り込んでいないか。この段階では開けずに、外から見える範囲だけ確認します。
  7. 周囲に流された部材が落ちていないかを見ておきます。

そして、次の3つは絶対にしないでください

  • 傾いた石・ずれた石を自分で動かさない。墓石は一番小さな部材でも数十キロ、竿石は100キロを超えます。不安定な状態のものに手をかけると、指や足を挟みます。毎年、災害後に実際に起きている事故です。
  • 崩れた斜面や擁壁に登らない、その下に立たない。一度崩れた場所は続けて崩れます。
  • いきなり高圧洗浄機で泥を落とさない。石の表面が緩んでいるところに高圧をかけると、目が荒れて汚れが入りやすい状態になります。まずは水を流しながら柔らかいブラシで、が基本です。

片付ける前に、必ず写真を撮ってください

これは、いま最も具体的にお役に立てるお願いかもしれません。泥をかき出す前、石を戻す前に、記録を残してください。

理由は3つあります。ひとつは、後日どこまでが被災による損傷だったのかを示す唯一の証拠になること。ふたつめは、修理の見積りを離れた場所からでも検討できるようになること。そして三つめが重要で、災害の規模によっては、後から自治体が支援制度をつくることがあるためです。実際、2024年の能登半島地震では、被災後しばらく経ってから墓石の復旧を対象とする補助金を設けた自治体がありました(後述)。制度ができてから写真を撮ろうとしても、そのときには片付いています。

撮り方のコツは次のとおりです。

  • まず離れた位置から墓地全体(周囲の状況が分かるように)
  • 次に区画全体を正面と斜めから
  • そして傷んだ部位のアップ(隙間・ずれ・洗掘された基礎の下)
  • 隙間やずれの大きさが分かるように、メジャーや硬貨を一緒に写す
  • スマートフォンの日付設定を確認しておく(撮影日が記録として効きます)

納骨室に水が入っていた場合

ご遺骨のことは、多くの方が最も気にされる点です。落ち着いて対応していただければ大丈夫です。

骨壺に泥水が入ってしまった場合でも、ご遺骨そのものが失われるわけではありません。ただし、ご自身の判断で骨壺を開けたり、洗ったり、持ち帰ったりする前に、まず墓地の管理者(寺院・自治会・市の担当課)にご相談ください。寺院墓地であればご住職への連絡が先になります。

実務としては、骨壺を一時的に取り出して乾かし、必要に応じて洗骨・乾燥のうえで新しい骨壺に納め直す、という流れになります。この作業は石材店が寺院と相談しながら行うのが一般的です。納骨室の防水や水抜きの造りに問題があった場合は、復旧工事のときに併せて手を入れます。

修復にかかる費用と工期の目安

実際の金額は、被害の程度、区画までの搬入経路(重機が入れるか)、石種によって大きく変わります。特に今回のように土砂が入った現場では、石の工事より先に土砂の撤去が必要になる分、通常の修理より工期が延びます。あくまで目安としてご覧ください。

工事の内容 費用の目安 工期の目安
土砂の撤去・泥汚れの洗浄 3万円〜15万円程度 半日〜2日
石塔のずれ・傾きの据え直し(上部のみ) 10万円〜25万円程度 1〜2日
石塔の全解体・据え直し 20万円〜50万円程度 2〜4日
外柵の直し・目地の打ち替え(部分) 10万円〜40万円程度 2〜5日
基礎のやり直しを伴う復旧一式 40万円〜100万円程度 2週間〜1か月
全面的な建て替え 100万円〜200万円程度 1〜3か月

なお、地盤が緩んでいる状態でむやみに急ぐと、直したそばから動くことがあります。土砂の撤去と水の抜け道の確保を先に済ませ、地盤が落ち着いてから石を据える、という順番になる現場もあります。「すぐに全部きれいにする」ことが最善とは限らない、という点はご理解いただければと思います。お墓の傷みの見分け方については被災したお墓の修復・再建の費用相場と支援制度の解説もあわせてご覧ください。

使える可能性のある制度と、確認しておきたいこと

正直にお伝えすると、お墓は住まいではないため、被災者生活再建支援金のような住宅向けの制度の対象にはならないのが原則です。火災保険や地震保険も、通常は墓石を補償の対象に含みません。

そのうえで、確認する価値があるのは次の4つです。

  • お住まいの市町が、墓石の復旧を対象とする補助制度を新設しないか。2024年の能登半島地震のあと、石川県内では穴水町などが墓石等の復旧支援補助金(対象経費の2分の1・上限10万円など)を設けた実例があります。今回の大雨についても、被害の全容が判明したあとに各市町から発表される可能性があります。制度の詳細は各市町の窓口(羽咋市・志賀町・宝達志水町・中能登町・氷見市)にお問い合わせください。
  • 墓地の管理者の対応。市営墓地であれば通路や擁壁など共用部分の復旧は市が行います。寺院墓地・共同墓地では、まず管理者に被害を報告してください。個人で手を出してよい範囲がそこで決まります。
  • 災害廃棄物・土砂の受け入れ。被災した市町では、災害廃棄物の一時的な無料受け入れが行われることがあります。区画から出た土砂や壊れた部材の処分費を抑えられる場合があります。
  • 既存の保証と、墓石向けの保険。建立から日が浅い場合、施工した石材店の保証が使えることがあります。また墓石を対象とした保険に加入されている場合は、被災直後の写真が請求時に必要になります。

各種の補助制度の考え方については、富山・石川の自治体支援と補助金の現状、およびお墓が被災された方への支援制度のご案内にまとめています。制度が新たに発表された際は、当サイトでも情報を追記します。

災害のあとに増える「点検商法」にご注意ください

能登半島地震のあと、この地域で実際に起きたことです。同じことが今回も起こり得ますので、あらかじめお伝えしておきます。

  • 頼んでいないのに墓地に来て「危険だから今すぐ直さないと」と言う業者には、その場で返事をしないでください。
  • その日のうちに契約書へ署名を求めてくる相手は避けてください。お墓の工事に、今日中に決めなければならない理由はありません。
  • 墓地の管理者の許可なく工事はできません。管理者に確認する、と伝えれば、正規の業者であれば必ず納得します。
  • できれば2社以上から書面の見積りを取ってください。「一式」ではなく、土砂撤去・解体・据え直し・基礎などの内訳が分かれているかが判断の目安になります。

地域ごとのお墓の情報

羽咋市の方は、羽咋市のお墓リフォーム・修理羽咋市のお墓クリーニング羽咋市の墓じまいのページに、地域の墓地事情と費用の考え方をまとめています。

志賀町の方は志賀町のお墓クリーニング志賀町の墓じまいを、宝達志水町の方は宝達志水町のお墓クリーニング宝達志水町の墓じまいを、中能登町の方は中能登町の墓じまいガイドをご覧ください。

氷見市の方は、氷見市のお墓リフォーム・修理氷見市のお墓クリーニング氷見市のお墓・墓地ガイドに、地上納骨堂の湿気対策を含めた地域特有の情報を掲載しています。

また、この機会に承継のことまで考えたいという方には、氷見市の墓じまい墓じまいの費用と補助金のページが参考になるかと思います。被災を機に墓じまいを選ばれる方も、修復して残される方も、どちらも尊重されるべき選択です。

私たちにできること

墓まもり(ヤマイチ株式会社)は、富山・石川で墓石の建立と修復を手がけている地元の石材店です。能登半島地震のあとも、傾きの据え直しから建て替えまで、多くのお墓の復旧に関わってきました。

現地の点検とお見積りは無料でお受けしています。ただし、いま急いでお申し込みいただく必要はありません。道路や墓地の状況が落ち着き、皆さまの生活が一段落してからで結構です。順番にお伺いします。

「写真を撮ったが、これは危ない状態なのか分からない」「墓地に行けないので状況が確認できない」といったご相談だけでも構いません。お電話は 050-1720-3000、またはお問い合わせフォームからお寄せください。修復工事の内容についてはお墓のリフォーム・修理のご案内もご覧いただけます。

被害に遭われた皆さまの生活が、一日も早く元に戻りますようお祈り申し上げます。

※本記事の気象・被害に関する記述は2026年8月27日時点の気象庁発表および報道に基づくものです。墓地の被害状況、および各自治体の支援制度については、判明し次第このページを更新します。最新の避難情報は必ずお住まいの市町の発表をご確認ください。

お客様の声

富山・石川で墓まもりをご利用いただいたお客様の声です。

★★★★★

「母が亡くなり、遠方に住む私には管理が難しくなっていました。
『墓じまいは罰当たり』という思いもあり悩んでいましたが、スタッフの方が『新しい供養の形への引越しです』と言ってくださり、気持ちが楽になりました。
閉眼供養から更地返還まで、丁寧に対応していただきました。

富山市 S様/60代/墓じまいご依頼

★★★★★

「他社にも見積もりを依頼しましたが、墓まもりさんが一番内訳が明確でした。
『ここはこういう理由でこの費用です』と一つひとつ説明してくれたので、安心してお任せできました。
10年保証があるのも決め手になりました。

高岡市 K様/50代/新規建立ご依頼

★★★★★

「長年放置していたお墓の傾きが気になっていました。
見積もりだけのつもりで相談したのですが、『今の状態なら部分修理で十分ですよ』と正直に教えてくれました。
無理な工事を勧めない誠実さに感動しました。

射水市 T様/70代/リフォームご依頼