「浄土真宗のお寺の門徒ですが、墓じまいの際にどんな法要が必要ですか?」「他のお宗派と何か違いはありますか?」――富山でお墓や仏壇のじまいをご相談いただく際、宗派によって儀式の内容や呼び方が違うことへの疑問は、たいへんよくいただきます。
富山は、浄土真宗(本願寺派・大谷派)の門徒が全国的にも多い「真宗王国」と呼ばれることもある地域です。
浄土真宗は「故人の魂がお墓や仏壇に宿る」という考え方を取らないため、墓じまい・仏壇じまいの際の儀式の名称・内容・作法も、他宗派とは異なる独自のものがあります。
この記事では、浄土真宗と他の主要宗派(浄土宗・曹洞宗・真言宗・日蓮宗)の違いを、儀式名・お布施・所要時間・注意点の観点から比較し、あわせて富山ならではの墓じまい事情(地上納骨型墓石の撤去、本山納骨、墓じまい相場)も解説します。
結論から:浄土真宗では「魂が宿る」「魂を抜く」という考え方そのものを用いません。
そのため、他宗派でいう「魂抜き・閉眼供養」に相当する儀式を、浄土真宗では「遷仏法要(せんぶつほうよう)」または「お勤め」と呼びます。
名前も意味合いも異なりますが、「遷仏法要が不要=何もしなくてよい」という意味ではありません。
いずれの宗派でも、実施前に必ず菩提寺のご住職へ事前相談することが大切です。
宗派別の儀式・作法を一覧表で比較
主要宗派の、墓じまい・仏壇じまい時の儀式の呼び方と考え方を比較します。
(お布施の金額は寺院・地域・法要の規模によって大きく異なるため、表では扱わず、後段の「お布施の相場と渡し方」で目安をまとめています。)
| 宗派 | 墓じまい・仏壇じまい時の儀式名 | 亡き方への呼称 | 特徴・考え方 |
|---|---|---|---|
| 浄土真宗(本願寺派・大谷派) | 遷仏法要(せんぶつほうよう)/お勤め※ | 法名(ほうみょう) | 「魂が宿る/魂を抜く」概念を用いない。阿弥陀仏の働きへの感謝が中心 |
| 浄土宗 | 閉眼法要(魂抜き) | 戒名 | 念仏信仰。阿弥陀仏への帰依を重視 |
| 曹洞宗(禅宗) | 閉眼供養(魂抜き) | 戒名(道号+戒名で構成。法号とも) | 坐禅・正しい行いを重視する禅宗 |
| 真言宗 | 閉眼法要(お性根抜き) | 戒名 | 密教系。「性根(しょうね)」という表現を用いる |
| 日蓮宗 | 閉眼法要(魂抜き) | 法号 | 法華経と題目「南無妙法蓮華経」を根本とする |
※ 浄土真宗の「遷仏法要」は、御本尊のお移り(仏壇じまい)でも、長年お参りしてきたお墓のご縁(墓じまい)でも、同じ呼び名で営まれます。
浄土真宗の「遷仏法要」とは
浄土真宗の「魂」の考え方
浄土真宗の教義では、「故人の魂がお墓や仏壇に宿る」という考え方をしません。
阿弥陀仏の本願によって、亡くなった方はただちにお浄土に往生されている、という受け止めが基本にあるためです。
したがって、他宗派でいう「魂抜き(閉眼供養)」は、浄土真宗には概念として存在しません。
「魂抜き」という用語自体を真宗では用いない、という点をまず押さえておくと、ご住職とのやり取りもスムーズになります。
墓じまい・仏壇じまいの際には、その代わりに「遷仏法要」や「お勤め」という形で、これまでのご縁への感謝をあらわします。
遷仏法要の内容と流れ
遷仏法要は、「阿弥陀仏のご縁を礼拝してきた場所を移す」という意味合いの法要です。
墓じまいの場合は「長年手を合わせてきたお墓のご縁への感謝」を、仏壇じまいの場合は「御本尊(阿弥陀如来)をお移し・ご返却することへのお礼とご挨拶」としてお勤めします。
- ご住職による読経(正信偈・念仏など)
- 所要時間の目安:30分〜1時間程度(規模による)
- 参列者のお焼香・礼拝
- 墓じまいの場合は、法要の後に石材店による墓石の撤去・お骨の取り出しへ進みます
本願寺派と大谷派の違い(焼香作法など)
浄土真宗の本願寺派(お西)と大谷派(お東)は、同じ浄土真宗でも本山が異なります(本願寺派は京都・西本願寺、大谷派は京都・東本願寺)。
作法にも違いがあり、たとえばお焼香は次のようになります。
- 本願寺派:お香を1回、額に押し戴かずにそのまま香炉へ
- 大谷派:お香を2回、いずれも額に押し戴かずに香炉へ
「押し戴かない(額に近づけて拝むしぐさをしない)」のは両派に共通する点です。
富山県内では本願寺派・大谷派のどちらの地域・ご家庭もあり、旧藩領による傾向が語られることもありますが、村単位・家単位で分かれるため、安易に決めつけないのが安全です。
ご自身がどちらの宗派かは、過去帳・法名軸の表記や御本尊、菩提寺への確認で判断できます。
他宗派の「魂抜き・閉眼供養」とは
「魂(性根)が宿る」という考え方を取る宗派
浄土宗・曹洞宗・真言宗・日蓮宗などでは、お墓や仏壇・位牌に「魂(性根)が宿る」という考え方を取る場合があります。
この考え方に立つ宗派では、墓じまいや仏壇じまいを行う前に「魂を抜く」儀式(閉眼供養・魂抜き・お性根抜き)を営むのが一般的です。
この儀式を行わずに墓石を撤去したり仏壇を処分したりすることは、当該宗派の作法上、望ましくないとされることが多くあります。
(前述のとおり、浄土真宗ではこの「魂を抜く」という考え方そのものを用いません。)
各宗派の特徴
浄土宗:念仏(南無阿弥陀仏)を中心とした宗派で、阿弥陀仏への信仰を重視します。閉眼法要の後に墓石撤去・仏壇処分を行います。
曹洞宗(禅宗):坐禅と正しい行いを重視する禅宗です。
授戒のうえで授ける名を「戒名(道号+戒名で構成され、法号とも呼ばれます)」とするのも特徴です。
閉眼供養はご住職の読経の後に行います。
真言宗:弘法大師(空海)を開祖とする密教系の宗派です。「お性根抜き」という独自の呼称を用い、祈祷的な要素が加わる場合があります。
日蓮宗:法華経と題目(南無妙法蓮華経)を根本とする宗派です。他宗派と同様に閉眼法要を行います。
墓じまい・仏壇じまいにおける宗派別の注意点
菩提寺への事前相談が最重要
どの宗派であっても、墓じまい・仏壇じまいを行う前に、必ず菩提寺のご住職へ事前相談することが大切です。
特に浄土真宗では、「魂を抜く儀式がないなら、何もしなくてよいのでは?」と誤解されることがありますが、そうではありません。
浄土真宗でも、これまでのご縁への感謝として遷仏法要(お勤め)をお願いするのが通例です。
富山型墓石(地上納骨)の墓じまいは工程が異なる
富山のお墓は、全国的に多い「地下納骨」ではなく、墓石の下に納骨堂空間を設けた地上納骨型(富山型墓石)が標準です。
そのため墓じまいの際は、地上の納骨堂の扉を開けて骨壺を取り出し、納骨堂ごと撤去するという、他県とは異なる工程になります。
さらに富山の骨壺は全国標準より大きく(おおよそ32×20×20cm)、本山納骨や改葬で別の容器へ移す場合は、そのサイズを前提に受け入れ先と相談しておくと安心です。
お骨を取り出す際は、骨壺の法名(戒名)が書かれた面を確認しながら、丁寧に扱います。
お布施の相場と渡し方
お布施の金額は、宗派・寺院・地域・法要の規模によって大きく異なります。
あくまで目安ですが、墓じまいや仏壇じまいの法要では3万〜10万円程度をお包みするご家庭が多いとされています。
これとは別に、墓石本体の撤去・整地などの石材工事費がかかります。
富山では、お墓本体の撤去でおおよそ20万〜35万円(税別)が一つの目安です(お墓の大きさ・立地により変動します)。
お布施の額に迷う場合は、同じ宗派の他のご門徒に伺うか、ご住職へ「いくらぐらいお包みすればよいですか」と直接確認するのが最も確実です。
注意:お布施は「感謝の気持ち」であり、法律上の支払い義務はありません。
ただし、菩提寺との関係を良好に保つためにも、常識的な金額を準備することをお勧めします。
高額を強要された場合は、第三者(宗派の相談窓口や専門家)へ相談することも選択肢です。
法名・戒名・法号の呼称の違い
亡くなった方に贈られる名前の呼称も、宗派によって異なります。
浄土真宗では「法名(ほうみょう)」(「釋〇〇」の形)、曹洞宗・臨済宗などの禅宗系では「法号(ほうごう)」、浄土宗・真言宗・日蓮宗など多くの宗派では「戒名(かいみょう)」と呼ばれます。
浄土真宗では「戒」を授からない(本願他力の宗旨による)ため、「戒名」ではなく「法名」と呼ぶ点に留意してください。
墓誌への追加彫りを依頼する際にも、この呼称の違いを理解しておくと安心です。
墓じまいの後の選択肢――本山納骨と永代経
富山の真宗門徒に根強い「本山納骨」
墓じまいの後にお骨をどこへお納めするかは、大きな関心事です。
富山の真宗門徒のあいだでは、京都の本山へお骨の一部または全部をお納めする「本山納骨」が、改葬先として根強い選択肢になっています。
- 本願寺派(お西):大谷本廟(おおたにほんびょう、京都・東山)
- 大谷派(お東):大谷祖廟(おおたにそびょう、京都・東山)
前述のとおり富山の骨壺は大きいため、本山への納骨では受け入れ可能な容器・分量を事前に確認しておくとよいでしょう。
具体的な手続きや必要書類は菩提寺・本山によって異なりますので、まずはご住職にご相談ください。
「永代供養」と「永代経」
墓じまい後の供養の形として「永代供養」という言葉を目にすることが多いですが、これはもともと他宗派で使われてきた用語です。
浄土真宗の寺院では「永代経(えいたいきょう)」「永代経懇志」と表記されるのが本来です。
言葉が違うだけで戸惑う方もいらっしゃいますが、これは宗派による呼び方の違いですので、内容については菩提寺にご確認ください。
真宗門徒のお墓と「南無阿弥陀仏」の名号
真宗門徒のお墓には、伝統的に「南無阿弥陀仏」(本願寺派)または「南無阿弥陀佛」(大谷派、旧字)の名号を彫ることがあります。
墓じまいの対象が、こうした名号が刻まれたお墓である場合、撤去・処分の方針やお寺への返納の可否について、ご住職に相談しておくと安心です。
撤去した墓石は、法的に認可された処分場で砕石として再利用され、他家のお墓に転用されることはありません。
富山の浄土真宗事情と墓じまい
富山で浄土真宗が多い理由
富山に浄土真宗の門徒が多い背景には、戦国時代から続く「一向宗(浄土真宗)」の深い根付きがあります。
加賀一向一揆などの歴史的経緯から、北陸の人々の生活文化に浄土真宗の習慣が深く溶け込んできました。
富山・石川の年中行事と法要にも、その影響が色濃く反映されています。
墓じまいは「お寺との縁切り」ではない
「墓じまいをすると菩提寺との縁が切れてしまうのでは」と不安に感じる方がいらっしゃいますが、必ずしもそうではありません。
たとえば富山の真宗門徒にとって、親鸞聖人のご命日にちなんで営まれる報恩講(ほうおんこう)は、一年で最も大切な法要です。
墓じまい・仏壇じまいの後も、報恩講をはじめとするお寺の行事にお参りを続けるご門徒は数多くいらっしゃいます。
墓じまいは、これからのご縁の形を整えることでもあります。
富山のお盆と浄土真宗
浄土真宗では「先祖の霊が帰ってくる」という考え方を取らないため、お盆の迎え火・送り火を行わないご家庭も多くあります。
真宗ではお盆を「歓喜会(かんぎえ)」と位置づけ、すでにお浄土におられるご先祖さまからのお慈悲を喜び、偲ぶ機会としてお勤めします。
北陸のお盆事情とあわせて、地域の慣習とご自身の宗派の受け止めを確認しておくとよいでしょう。
💡 宗派が分からないときの確認方法
① 過去の法要で受け取ったお布施袋・法要案内を確認する
② お仏壇の御本尊(中央に飾られている仏像・絵像)を確認する
③ 過去帳・法名軸、または位牌の表記(法名・戒名・法号)を確認する
④ 直接、菩提寺のご住職に確認する
宗派や本願寺派・大谷派の別は、地域・ご家庭によって異なります。無理に判断せず、菩提寺への確認が最も確実です。
富山での無料相談
創業1950年のヤマイチ株式会社(墓まもり)では、富山の浄土真宗をはじめとした各宗派の習慣と、地上納骨型(富山型墓石)など地域特有の事情を踏まえて、墓じまい・仏壇じまいのご相談に対応しています。
「菩提寺への連絡の仕方が分からない」「遷仏法要の進め方を教えてほしい」「本山納骨を考えているが骨壺のサイズが心配」「石材工事とお寺への連絡、どちらを先にすればよいか」――そうした細かなご疑問にも、年間100件超の実績をもとに丁寧にお答えします。
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お客様の声
富山・石川で墓まもりをご利用いただいたお客様の声です。
「母が亡くなり、遠方に住む私には管理が難しくなっていました。
『墓じまいは罰当たり』という思いもあり悩んでいましたが、スタッフの方が『新しい供養の形への引越しです』と言ってくださり、気持ちが楽になりました。
閉眼供養から更地返還まで、丁寧に対応していただきました。
」
「他社にも見積もりを依頼しましたが、墓まもりさんが一番内訳が明確でした。
『ここはこういう理由でこの費用です』と一つひとつ説明してくれたので、安心してお任せできました。
10年保証があるのも決め手になりました。
」
「長年放置していたお墓の傾きが気になっていました。
見積もりだけのつもりで相談したのですが、『今の状態なら部分修理で十分ですよ』と正直に教えてくれました。
無理な工事を勧めない誠実さに感動しました。
」




